目次
- ラベンダーってどんな植物?
- 真正ラベンダーは優しい香りが特徴
- ラベンダーアングスティフォリアの主成分
- モノテルペンアルコール類の主な作用
- リナロールの固有作用
- エステル類の主な作用
- ラベンダーアングスティフォリア全体の作用
- ラベンダー・ストエカスはツンとした香りが特徴
- ラベンダー・ストエカスの主成分
- ケトン類の主な作用
- カンファー固有作用
- 1,8シネオール固有作用
- モノテルペン炭化水素類の主な作用
- ラベンダー・ストエカス全体の作用
- ラベンダー・スーパーはラベンダーのハイブリッド
- ラベンダー・スーパーの主成分
- モノテルペンアルコール類の主な作用
- リナロールの固有作用
- エステル類の主な作用
- ラベンダースーパー全体の作用
- ラベンダー・スピカはワイルドなお助け精油
- ラベンダー・スピカの主成分
- モノテルペンアルコール類の主な作用
- 酸化物(オキサイド)類の主な作用
- 1,8シネオール固有作用
- リナロールの固有作用
- ケトン類の主な作用
- カンファーの固有作用
- ラベンダー・スピカ全体の作用
- 香りに対する反応は嗅覚からのサイン
ラベンダーってどんな植物?
Lavandula officinalis/真正ラベンダー/ラベンダーアングスティフォリア
ラベンダーといえば、シソ科の低木に分類されます。欧州、アラビア諸国でも太古の昔から薬用として栽培されてきました。また現在では品種改良され園芸店などでもよく目にするようになりました。様々な種類があり実際に嗅いでみるとその香りの違いに驚くことも。また日本ではかつて、トイレの芳香剤の香りを思い出す方が多く、ラベンダーは嫌いです。と言われることが多かったのですが、今ではそんなイメージを持つ方も少なくなり、ラベンダーが大好き!という方が増えていると感じています。今回は4つのラベンダーを含有成分の違いを中心に紹介します。
真正ラベンダーは優しい香りが特徴
様々な呼び名がある最もポピュラーなラベンダーです。イングリッシュラベンダー、コモンラベンダー、ファインラベンダー、真正ラベンダー、トゥルーラベンダー、ラベンダーアングスティフォリアなどがあります。地中海が原産で花穂は細長く葉も細長いものが主流です。
ラベンダーアングスティフォリアの主成分
- リナロール 30〜50%(モノテルペンアルコール類)
- 酢酸リナリル 25〜45%(エステル類)
- cis-β-オシメン(モノテルペン炭化水素類)
- trans-β-オシメン(モノテルペン炭化水素類)
- β-カリオフィレン(セスキテルペン炭化水素類)
- ボルネオール(モノテルペンアルコール類)
- 酢酸ラバンジュリル(エステル類)
- 3-オクタノン(ケトン類)
モノテルペンアルコール類の主な作用
- 抗菌作用
- 抗ウィルス作用
- 抗真菌作用
- 免疫調整作用
- 神経強壮作用
- 抗寄生虫作用
リナロールの固有作用
- 鎮静作用
- 血圧降下作用
- 抗不安作用
エステル類の主な作用
- 鎮痙攣作用
- 神経バランス回復作用
- 鎮静作用
- 鎮痛作用
- 抗炎症作用
- 血圧降下作用
ラベンダーアングスティフォリア全体の作用
- 鎮痙攣作用
- 瘢痕形成作用
- 抗真菌作用
- 鎮静作用
- 誘眠作用
- 抗うつ作用
- 皮膚組織再生作用
- 鎮痛作用
- 筋肉弛緩作用
- 血圧降下作用
- 抗菌作用
- 殺菌作用
- 抗炎症作用
- 高感染症作用
- 抗微生物作用
ラベンダーアングスティフォリアは万能精油です。メンタルケア、スキンケア、やけどや切り傷、虫刺されなど様々な場面で大活躍します。私も子どもたちが小さい頃はアウトドアには必ず持参し、大変お世話になった精油です。また旅行のお伴にもおすすめです。
ラベンダー・ストエカスはツンとした香りが特徴
次に紹介するのがラベンダー・ストエカスです。ふっくらした花穂が特徴で見た目はうさぎの耳のようにも見えます。フレンチラベンダーと言われます。ツンとした香りでラベンダーアングスティフォリアとは成分構成が大きく異なります。ケトン類を多く含むため使用には注意が必要です。
ラベンダー・ストエカスの主成分
- フェンコン 25〜50%(ケトン類)
- カンファー 15〜40%(ケトン類)
- 1,8シネオール 1〜15%(オキサイド類)
- カンフェン(モノテルペン炭化水素類)
- α-ピネン (モノテルペン炭化水素類)
- リモネン (モノテルペン炭化水素類)
- 酢酸ミルテニル(エステル類)
- 酢酸ボルニル(エステル類)
ケトン類の主な作用
- 粘液溶解作用
- 脂肪溶解作用
- 胆汁分泌促進作用
- 去痰作用
- 瘢痕形成作用
カンファー固有作用
- 筋肉弛緩作用
- 抗寄生虫作用
- 延髄の呼吸中枢刺激作用
- 血管運動興奮作用
- 冷却作用
- 結石溶解作用
1,8シネオール固有作用
- 免疫調整作用
- 抗炎症作用
モノテルペン炭化水素類の主な作用
- 鬱滞除去作用
- 抗炎症作用
- コーチゾン様作用
- 抗ウィルス作用
- 抗菌作用
ラベンダー・ストエカス全体の作用
粘液溶解
抗菌作用
瘢痕形成作用
抗炎症作用
止乳作用
ラベンダー・ストエカスは禁忌があります。乳幼児、妊婦、授乳中の妊産婦、神経系の弱いもの、癲癇の持病がある場合は使用しない。副鼻腔炎や気管支炎などのほかセルライトの除去などにおすすめです。
ラベンダー・スーパーはラベンダーのハイブリッド
一言で言うと、いいとこ取りのラベンダーです。ラベンダーアングスティフォリアの優しさとラベンダーストエカスのパワーを兼ね備えたハイブリッドなラベンダーです。
ラベンダー・スーパーの主成分
- 酢酸リナリル 30~50%(エステル類)
- リナロール 25~40%(モノテルペンアルコール類)
- cis-β-オシメン(モノテルペン炭化水素類)
- trans-β-オシメン(モノテルペン炭化水素類)
- β-カリオフィレン(セスキテルペン炭化水素類)
- ボルネオール(モノテルペンアルコール類)
- 酢酸ラバンジュリル(エステル類)
- カンファー(ケトン類)
- 1,8シネオール(オキサイド類)
モノテルペンアルコール類の主な作用
- 抗菌作用
- 抗ウィルス作用
- 抗真菌作用
- 免疫調整作用
- 神経強壮作用
- 抗寄生虫作用
リナロールの固有作用
- 鎮静作用
- 血圧降下作用
- 抗不安作用
エステル類の主な作用
- 鎮痙攣作用
- 神経バランス回復作用
- 鎮静作用
- 鎮痛作用
- 抗炎症作用
- 血圧降下作用
ラベンダースーパー全体の作用
- 鎮痙攣作用
- 鎮静作用
- リラックス作用
- 筋肉弛緩作用
- 血圧降下作用
- 誘眠作用
- 瘢痕形成作用
- 抗炎症作用
- 鎮痛作用
- 抗菌作用
- 殺菌作用
- 緊張緩和作用
- 心臓強壮作用
ラベンダースーパーは真正ラベンダーに比べるとツンとした香りもあり、フレンチラベンダーと比べると優しい香りとなります。つまりリラックスとリフレッシュどちらにも働くまさにハイブリットなラベンダーです。私個人は昔、受講生さんと淡路島のパルシェ香りの館で収穫&蒸留したラベンダーグロッソの精油がこれまで経験したグロッソの中で最も香り高いグロッソだったと感じています。特に禁忌もなく使いやすい精油です。
ラベンダー・スピカはワイルドなお助け精油
最後に紹介するのがラベンダー・スピカです。スパイクラベンダーやワイルドラベンダーと言われます。デトックス効果に優れると言われ、毒虫や蚊などに刺された際にも大活躍します。ただ、このスピカ精油は各メーカーによって価格に大きな差があり、成分構成にも大きな違いがあります。そのためスピカの特徴を活かしたい場合はきちんと学名が記載され、なおかつ成分分析によって必要な成分がきちんと含有されているかチェックが必要です。残念ながらスピカの画像は手持ちにありません。いずれ撮影したら追記したいと思います。
ラベンダー・スピカの主成分
- リナロール 35〜50%(モノテルペンアルコール類)
- 1,8シネオール 15〜35%(オキサイド類)
- カンファー 5〜15%(ケトン類)
- α-ピネン(モノテルペン炭化水素類)
- β-ピネン(モノテルペン炭化水素類)
- リモネン(モノテルペン炭化水素類)
- β-カリオフィレン(セスキテルペン炭化水素類)
- α-テルピネオール(モノテルペンアルコール類)
- ボルネオール(モノテルペンアルコール類)
モノテルペンアルコール類の主な作用
- 抗菌作用
- 抗ウィルス作用
- 抗真菌作用
- 免疫調整作用
- 神経強壮作用
- 抗寄生虫作用
酸化物(オキサイド)類の主な作用
- 去痰作用
- 抗カタル作用
- 抗ウィルス作用
- 免疫調整作用
- 抗菌作用
- 抗寄生虫作用
1,8シネオール固有作用
- 免疫調整作用
- 抗炎症作用
リナロールの固有作用
鎮静作用
血圧降下作用
抗不安作用
ケトン類の主な作用
- 粘液溶解作用
- 脂肪溶解作用
- 胆汁分泌促進作用
- 去痰作用
- 瘢痕形成作用
カンファーの固有作用
- 筋肉弛緩作用
- 抗寄生虫作用
- 延髄の呼吸中枢刺激作用
- 血管運動興奮作用
- 冷却作用
- 結石溶解作用
ラベンダー・スピカ全体の作用
- 鎮痙攣作用
- 瘢痕形成作用
- 抗真菌作用
- 鎮静作用
- 誘眠作用
- 抗うつ作用
- 皮膚組織再生作用
- 鎮痛作用
- 筋肉弛緩作用
- 血圧降下作用
- 抗菌作用
- 殺菌作用
- 抗炎症作用
- 高感染症作用
- 抗微生物作用
ラベンダー・スピカは先述したようにメーカーや産地によって香りが極端に違います。Lavandula latifoliaと同じものです。フランス産とポルトガル産では含油するケトン類のカンファーの割合が大きくことなります。そのため購入前にカンファーの含有を調べることをおすすめします。禁忌として乳幼児、妊婦、授乳中の妊産婦、神経系の弱いもの、癲癇の持病があるものは長期間に継続して広範囲に多量の使用は避ける。
香りに対する反応は嗅覚からのサイン
香りに対する「好き」、「嫌い」の反応は脳の第一脳神経である嗅覚からのサインです。自分にとってその香り成分(作用)が必要な場合は快(好き)、不要な場合は不快(嫌い)となります。その香りがた「まらなく好き」、「たまらなく嫌い」、「好きでも嫌いでもない」、「どちらかと言うと好き」、「どちらかと言うと嫌い」など同じ好き嫌いでも程度があり、また日によっても多少変化があります。これが、その日の自分自身の心と身体のバランス、ホルモン、食べたもの、飲んだもの、運動などによっても変わります。
とは言っても、ものすごく大好きだったものが翌日には耐えられないほど嫌いになるということはありません。もしあったとしたら・・それは身体に何か特別なことがおきている、またはこれから起きるかもしれないという脳からのメッセージであることが多いです。女性の場合は妊娠などの場合もあります。または体調をがくっと崩す、逆に体調を崩していたなどでも香りに対する感受性は変わってきます。
精油成分に関する情報はケモタイプ精油事典より引用しています